大きいヴァイオリンじゃない!弦楽器の種類まとめ

オーケストラが演奏しているところを頭に思い浮かべてみてください。手前にはどんな楽器がいますか?

指揮者が真ん中にいて、それをぐるっと半円状に取り囲んでいるのは…ヴァイオリン、ヴァイオリン、座ったヴァイオリン、立ったヴァイオリン…?

この記事では、オーケストラで使われる弦楽器4種類についてご紹介します。

弦楽器の音が鳴る仕組み

今からご紹介する4種類の楽器は、全て音が鳴る仕組みが同じです。

楽器からみなさんの耳まで美しい音が届くためには、まず何かしらの方法で空気を振動させること、そして響きを増幅させることが必要です。

弦楽器の場合、音のおおもとが作られるのは「」の部分です。楽器の真ん中に4本張られた弦を、「」と呼ばれる毛でこすって音を出します。

そのままでは響きが少ないので、木でできた空っぽの箱に音を反響させて、「f字孔」というおひげのような穴から反響させた音を鳴らしている、という仕組みです。

ちなみに、音が作られる部分は多くの木管楽器では「リード」という薄い木の板、金管楽器では奏者自身の唇です。

奏者の力量ももちろんですが、弦楽器は金管楽器などと比べると、楽器そのもののグレードがより音に表れやすい楽器だと言えるかもしれません。

では、早速オーケストラで活躍する4種類の弦楽器をご紹介しましょう。

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ヴァイオリン

言わずと知れたオーケストラの花形楽器。4種類の中で一番小型で、一番高い音が出せる楽器です。美しい高音はもちろん、一番太い弦で弾く低音にも渋くて艶やかな魅力があります。

オーケストラに所属せず、ソリストとして活躍するスター奏者が比較的多いのも特徴です。

日本では、戦後以降習い事としてポピュラーな楽器となり、スズキやヤマハなど幼少期からの音楽教育メソッドによって、技術的な水準は世界的にもかなり高いものになっています。

また、他の弦楽器に比べて、製作に関しても研究が進んでいる楽器でもあります。

宮崎駿監督のジブリ映画、『耳をすませば』の中で、主人公の相手役の聖司くんがヴァイオリン職人の修行をしにクレモナに行くという描写があります。クレモナはイタリアにある有名な街で、初めてヴァイオリンを作ったアマティ、大工房を据えて世界最高峰の名工をたくさん生んだストラディヴァリなど、ヴァイオリン職人の聖地となっています。

ヴィオラ

一回り大きいヴァイオリン」というのが楽器紹介の定番ですが、今回はきちんとヴィオラの紹介をしたいと思います。

ヴィオラの奏法はヴァイオリンとほぼ同じであるため、ぱっと見てヴァイオリンとの区別がつかず、ゆえに知名度も高くないという課題がありますが、深く渋みのある音でオーケストラをしっかり支えている重要なパートです。

オーケストラの中では、高音と低音がうまく溶け合うようにつなぐ中音部を受けもち、伴奏を担当していることが多い楽器です。19世紀以降はヴィオラをソリストに迎えた協奏曲も少しずつ書かれ始め、伴奏職人以外の顔も見られるようになってきました。

40cm程度(もう少し大きいものもあります)とそこまで本体のサイズは大きくないのですが、体の割には低い音まで出る構造になっています。というのも、現在演奏されているヴィオラは音の響きだけを考えると理想的な設計ではなく、完全に理想的な大きさに作ると、成人男性が精一杯腕を伸ばしても演奏が難しい大きさになってしまうのです。

幸い、現代ではきちんと調整されて製作された楽器のおかげで、腕を無理やり伸ばして演奏する必要はないようです。

チェロ

チェロはオーケストラの中では低音部を受け持ちます。構造はヴァイオリン、ヴィオラとほとんど同じですが、深みのある低音を出すために全体的にサイズが大きく、また本体の木もより分厚くなっています。

チェロをアゴに挟んで演奏するのは難しいので、脚の間に楽器を置き、左の肩に楽器のネックを置き、右手で弓を持って演奏します。チェロの前身である楽器「ヴィオラ・ダ・ガンバ」もこのように脚の間に挟んで演奏されていました。

豊かな響きのある低音から美しい高音まで幅広い表現ができるチェロは、ソロ楽器としても重宝され、たくさんの作品が書かれています。

小学校の教科書に掲載されている宮沢賢治の小説、『セロ弾きのゴーシュ』には、下手くそとなじられたゴーシュが動物たちの力を借りて夜な夜な練習に励み、本番でソロを弾かせてもらえるという有名なシーンがありますね。

コントラバス

今回ご紹介する4種類の中で一番大きくて低い音域を担当するのが、コントラバスです。

コントラバスも仕組みとしては他の3つの弦楽器とほぼ同じですが、チェロよりさらにサイズが大きく背が高いため、奏者は立奏がほとんどです。

4つの楽器を並べてみるとわかるのですが、コントラバスは他の3種類に比べてかなりなで肩なフォルムをしています。これは、16世紀ごろ、ヴァイオリンの祖先であるフィドル、チェロの祖先であるヴィオラ・ダ・ガンバよりさらに低音域が出せる楽器、「ヴィオローネ」が派生し、独自に発達してきたためだと言われています。

コントラバスの特徴は、なんと言ってもその低くて太い音です。オーケストラ全体が鳴っている時にコントラバス単体の音を聞き取るのは確かに難しいのですが、そこからコントラバスがいなくなると、全体の響きが一枚薄くなることがはっきりと分かる、そんな縁の下の力持ちのような役割を果たしています。

また、コントラバスはオーケストラのみならず、ジャズバンド、ロックバンド、吹奏楽など、様々なシーンで活躍しています。そのため、「ウッドベース」「ストリングベース」「弦バス」「ダブルベース」などたくさんの別名を持っていますが、基本的には同じ楽器です。

終わりに

以上がオーケストラで使われる4種類の弦楽器の紹介です。同じ発音の仕方で違う大きさ、という弦楽器の特性によって、一体感がありつつも深みのある響きをオーケストラに生み出しているということがお分かりいただけたかと思います。

ぜひ、ヴィオラを見かけたら「大きいヴァイオリンだ!」ではなく「ヴィオラだ!」と、コントラバスを見かけたら「でっかい!」ではなく「コントラバスですね!」と、言ってあげてください。奏者は大変喜ぶと思いますよ。

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