フルート、サックスは金属なのに木管なの?金管楽器と木管楽器の違いとは

管楽器に「金管楽器」と「木管楽器」があることは、恐らくほとんどの方が知っていることだと思います。読んで字のごとく、それぞれ金属製の管楽器と木製の管楽器のことを指すと思われるでしょう。

ところで、フルートとサックスがどんな楽器だったか思い出してみてください。きっと、銀色や金色の金属製の楽器が想像されると思います。実はこの2つの金属製楽器、両方とも分類上は「木管楽器」に属するんです!

ここでは、そんな「見た目で判断できない」金管楽器と木管楽器の違いについて解説します。意外な分類方法に驚くこと間違いなし!

金管楽器の条件はたった1つだけ!?その意外な分類方法とは

金管楽器に分類される楽器と言えば「トランペット」、「トロンボーン」、「ホルン」、「チューバ」などが挙げられます。吹奏楽経験者には「ユーフォニアム」、「スーザフォン」なども身近かもしれません。

これらの楽器は全て「唇を震わせて音を出す」楽器、専門用語で「リップリード」によって音が鳴る仕組みになっています。息を吹き込むだけでは音は出ません。人間の喉にある声帯のように、唇を震わせて元となる音を出し、それを楽器に響かせることで、あの輝かしく力強い音が鳴るのです。

実は金管楽器に分類される条件はこの「リップリード楽器」であることだけで、楽器本体の材質は全く関係ないんです。日本の「法螺貝」も、材質は貝ですが、唇の振動で音を出すため金管楽器に分類されています。ホルンも元々はヒツジなどの動物の角で作られていたものでした。

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木管楽器の種類!シングルリード

「フルート」、「オーボエ」、「クラリネット」、「ファゴット」、「サックス(サクソフォン)」などが含まれる木管楽器は、リップリードしかない金管楽器とは違い、音を出す機構の違いでさらに細かく3種類に分類することが出来ます。

ひとつ目は「シングルリード」と呼ばれる機構を持つ楽器。リードとは「あし(葦)」から作られた木の板のことで、現代では乾燥させて薄く削ったダンチクと呼ばれる植物を使用します。

シングルリードはこのリードを1枚吹き口に固定し、息を送り込んでベルヌーイ効果という物理現象を得ることでリードが震え、音が出ます。クラリネットのほか、サックスもこの機構を持つため、サックスは金管楽器ではなく木管楽器であり、クラリネットの親戚であるといえます。

ちなみに、最近では「プラスチックリード」と呼ばれるプラスチック製のリードが使用されることもあります。ダンチク製に比べて個体差が少なく、丈夫で長持ちであるという特性がありますが、奏者によっては音のタッチの硬さが嫌われることもあります。

木管楽器の種類!ダブルリード

前述のリードを二枚重ねにして音を出す「ダブルリード」という楽器群もあります。オーボエやファゴットなどがこの構造を持っていて、歴史的にかなり古くからある種類です。

シングルリード用のリードは、ほとんどの人が市販されているものを購入し、個体差を確認しながら選別して自分に合ったものを使用します。しかしダブルリード楽器の奏者は、ほぼ全員が自分でリードを削り出します。

そのため、楽器とは別に「リードの素材」「リード用ナイフ」「削り器」などを用意し、楽器を吹いていない時間はずっとリード作りに励みます。音楽大学で日常的に見られる光景のひとつです。

ちなみに、「イングリッシュホルン」という名前の楽器が存在しますが、これは金管楽器ではなく木管楽器。別名「コールアングレ」「オーボエ・ダモーレ」と呼ばれ、ダブルリードを持つためホルンではなくオーボエの仲間です。

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木管楽器の種類!エアリード

エアリード」は、シングル・ダブルリードとは違い「リードを持たない木管楽器」です。フルートやリコーダー、尺八、オカリナなどがこれに分類されます。空気そのものを直接振動させて音を鳴らします。

フルートは現在では銀などの金属で作られたものが使用されますが、このように構造的には木管楽器に属します。古くは木製フルートが使用され、特に17世紀ごろに使用されたものは「フラウト・トラヴェルソ」と呼ばれて区別されています。

リコーダーやオカリナは吹けば誰でも音が鳴るように設計されていますが、フルートや尺八は吹き込む息の角度や強さを最適にしないと音が鳴らない構造になっています。空き瓶に息を吹き込んで「ボー」と音を出す、あんなイメージです。

管楽器を楽しもう!金管・木管五重奏

ここまでご紹介してきた金管楽器と木管楽器ですが、それぞれの魅力を最大限に楽しめる編成の音楽があるのでご紹介します。それぞれ金管・木管楽器を使用する「金管五重奏」と「木管五重奏」の2つの編成です。

金管五重奏はいろいろな編成がありますが、一般的に、高いほうから「トランペット2本・ホルン・トロンボーン・チューバ」というアメリカ式の編成と、「トランペット2本・トロンボーン3本」というドイツ式の編成があります。ドイツ式の方は力強く輝かしいサウンド、アメリカ式はさまざまな音色が混ざった深みのある音色が特徴的です。

木管五重奏は「フルート・オーボエ・ホルン・クラリネット・ファゴット」という編成が一般的です。何かおかしな点がありますね。そう、「木管」五重奏に金管楽器であるホルンが混ざっているんです!

理由としては、ホルンが金管楽器でありながら木管楽器のような柔らかい音色を持つため、うまく溶け込みやすいということが挙げられます。そしてクセの強い4種類の木管楽器を混ぜ合わせるのに最適であるというメリットもあります。

管楽器の違いについてまとめてみた!

金管楽器と木管楽器の違いについてご紹介してきました。同じ種類で分類されている楽器でも、持っている音色は楽器ごとに大きく異なります。個々の楽器の音色を楽しむのであれば、各楽器の協奏曲を聴き比べるのがおすすめです。

サックスがクラシック音楽で用いられることは少なく、もしかしたらジャズのようにわざとノイズを含ませる等、ムーディな音色をイメージするかもしれません。しかし吹奏楽などで聴くことのできる「柔らかい音のサックス」は、ほかの木管楽器にはない素晴らしい魅力があります。

しかし何と言っても、管楽器の最大の魅力は、違う管楽器同士が重なったときに鳴る美しいハーモニーでしょう。前述の五重奏だけでなく、ロマン派以降のオーケストラ作品は管楽器が多く使われているので、さまざまな音色を聴くことが出来ます。ぜひ鑑賞してみてください。

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