作曲科は変人ぞろい?音楽大学人間模様

ひと口に音楽大学と言っても、その内部は非常に多種多様な人達に溢れています。その中でも、専攻ごとに色濃く表れた性格やキャラクターは、一般の大学よりより顕著かつ個性的なのではないでしょうか。

ここでは、知られざる音楽大学の人間模様を、各専攻ごとにご紹介します。なお、各音大ごとに多少の違いは見られますので、その点はご了承ください。

英才教育の結晶!弦楽器専攻

幼い頃から英才教育を受けてきたヴァイオリン科などの弦楽器専攻。非常にストイックである反面、幼い頃からアンサンブル活動をすることもあることから、コミニュケーション能力が異様に高い人が多くいます。

その上で、弦楽器の中でもさらに性格の細分化ができます。ヴァイオリンは華々しい人が多い印象です。本人達に言わせると、さらに「主旋律向き」の人と「2nd(ハモリ担当)向き」に分かれるそうです。

ヴァイオリンよりひと回り大きいヴィオラは、そもそも専攻する学生が少ないレアキャラです。ヴァイオリンよりも大人しく空気を読むことに長けてる人が多いです。

チェロ専攻は、ヴァイオリンとはまた違った方向に派手な人が多いようです。一番大きなコントラバスは不思議な人が多く、何故かコントラバス科でまとまって行動している様子をよく見かけます。

 

ザ・お嬢様!ピアノ専攻

 

筆者の経験上、ピアノ専攻が全専攻中で最も「お金持ち」が高い専攻であると言えます。親が会社社長は学年に数人、有名企業の重役レベルだとその数は跳ね上がります。

それゆえお嬢様育ちのレベルも尋常ではありません。「コンビニで買い物したことないから何が売ってるか分からない」「カップ麺の作り方知らない」「長期休暇ごとに家族でフランスへ」いずれも筆者がピアノ科の同級生から直接聞いた文言です。

こうしたお金持ち率の高さのせいか、あるいは「1人で毎日数時間練習しつづける」という楽器特有の性質からか、マイペースな学生が非常に多く見られます。

音大イチの体育会系!管楽器専攻

管楽器は金管と木管に大別できますが、双方ともに体育会系のノリが強いです。これは吹奏楽部経験者が多く在籍することに起因すると考えられます。具体的には、上下関係がやたら厳しいことが挙げられます。上下関係が皆無と言える弦楽器とは真逆でタメ口は論外です。
なお、オーボエ専攻とファゴット専攻は「リード作り専攻」の異名を取ります。吹いて音を出す「リード」を自作する必要があり、暇さえあれば延々とリードを専用の工具で削り続けています。練習時間より削る時間の方が圧倒的に長いです。

圧倒的声量!声楽専攻

音大の廊下や道端で声が大きい人たちがいたら、だいたい声楽科です。筆者が在籍していた音大では、オペラの授業後に来る近隣からの苦情数がぶっちぎりで多かったそうです。普通に会話しながら歩いてるだけなのですが…近隣の皆様、失礼しました。

天才の巣窟!?作曲専攻

作曲専攻もいろいろな人がいますが、基本的に変わった人が多いです。先生もクセの強い人が多く、「変な人に習うから変になる」のか、そもそも「変な人が作曲を志す」ことが多いのか…。

作曲専攻にもそれぞれ専門領域があります。特に 「現代音楽」を専門にする人は、とにかく色々なものに興味を持ちます。フルートを吹かずに吸ってみたり、物をコツコツ叩いてみたりと、新しい音を常に探しています。

会話していたら突然音楽を思いついて楽譜に書き留めたり、ピアノ練習していたらいつの間にか即興演奏していたりと、常人にはついていけないことが多々あります。

作曲の先生の授業に至っては、作品例をピアノで弾くうちに授業であるのを忘れて音で遊び始めます。挙句、「教科書にはこれはダメって書いてあるけど、バッハもベートーヴェンもやってることだから、良い曲ならやってもいい」などと、教科書全否定したりもします。

 

意外と職人気質?打楽器専攻

打楽器科も管楽器同様、体育会系のノリが色濃い専攻です。しかし楽器の運搬などで協力し合わないといけないせいか、管楽器よりも平和的な印象があります。

その一方で職人的な一面も持ち合わせています。 珍しい楽器を含めれば1000を超える楽器の扱い方をマスターし、さらにどんな状況でもテンポをキープしリズムを乱さない技術を日夜磨き続けています。

各専攻ごとの性格をまとめてみた!

いかがでしたでしょうか?意外と知らない音楽大学の人間模様がお分かりいただけたかと思います。実は、「指揮」「古楽器」「ポピュラー音楽」などまだまだ紹介しきれていない専攻もあります。

音楽大学最大のメリットは、こうした様々な専攻の人と交流することによって、感性に磨きをかけることが出来ることにあります。互いに磨き合い、たくさんの才能が世界に羽ばたいていって欲しいですね。

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